シディック革工場における実証試験

排水と汚泥のEMによるバイオレメディエーション

 

共同実験者:EMROとパキスタンのラホーレなめし皮協会(PTA

実験期間:2003年1月~3

原稿:”Pilot Study : Siddiq Leather Works Bioremediation of Effluent & Sludge Using EM Technology” prepared by EMRO & Pakistan Tanners Association (PTA)

http://www.embiotech.org/sadiqleather.html

要約と日本語訳:EM研究機構東京事務所(門奈逸代)

 

 

実験施設

1947年創業、年間1518百万平方フィートのなめし皮を製造するシディック革工場(SLW)で実験が行われた。工場には1日約10001500㎥の排水量を処理するために、以下のように処理槽が設置されている。

     Equalization tank(バッキ槽(約310㎥=9.5m x 7.5m x 4.375m)が2槽、816時間滞留させ常時バッキと撹拌。

     330㎥のprimary settlement tank (沈殿槽)、越流水は放水路へ排出され、スラリーは重力槽へポンプで移される。

     75㎥のdecanter tank(重力槽)、満杯になると乾燥床へ移す。

     40㎡のsludge drying bed(汚泥乾燥床)6床、水切りのため粗い砂が敷かれている。

 

水質改善

72時間かけて1㌧タンクで活性された活性液は、バッキ槽への流入水路に投入された。最初に1回1㌧投入した後は、午前9時から午後6時の間に点滴投入。

実験期間中(2月3~11日)に合計15㌧の活性液が投入された。バッキ槽では、EMと接触する時間は最大16時間である。接触時間を長くするために、沈殿槽からの越流水は1㌧タンク3個に受けて23日滞留させた後で放流された。

水質測定はなめし革工場(SLW)の研究室とラホーレのなめし皮協会(PTA)の2者により2地点からサンプルを採取して行われた。サンプル採取地点は、バッキ槽の入り口(EM処理前の原水)と、沈殿槽の越流水が流入する排水溝の入り口(EM処理後の排水)である。

両者の測定結果から、EM処理の効果はあると思われるが、汚染濃度に応じて適切なEM施用量を決めるための研究がさらに望まれる。

また信頼できるデータを得るために、データ数を多くしたり複数の研究所で分析する必要がある。

 

 

 

表1:排水の水質検査(SLW研究室による測定結果)

サンプル

日・EM処理前後

pH

TTS

(mg/l)

TDS

(mg/l)

Cl

(mg/l)

S

(mg/l)

SO4

(mg/l)

Cr

(mg/l)

2003

23

8.0

400

5600

142

92

1600

210

7.5

200

5600

135

37

400

0.27

26

10.0

900

5900

57

320

1150

110

9.0

300

4100

43

128

400

0.195

24

7.5

2400

4000

895

80

2000

178

7.5

3600

2800

1065

26

700

0.346

210

7.5

100

1300

1200

---

288

38

8.0

300

1800

750

17

493

13

23日と6日の測定結果は、バッキが正常な状態でのEM処理の効果が現れ、ほとんど全ての測定値が減少している。

24日には、1145分からバッキが故障したため、バッキ槽は嫌気状態になった。

210日の測定結果でEM処理後に測定値が大きくなった原因は不明である。

 

2EM処理排水の水質検査(ラホーレのPTAによる測定結果)

測定項目

サンプル日

原水

EM処理水

NEQS

COD

(mg/l)

200326

2664

1662

 

150

9

1615

1151

BOD**

(mg/l)

6

1620

810

 

80

9

1720

980

TDS*

(mg/l)

6

5480

7260

 

3500

9

3180

4660

TSS

(mg/l)

6

920

380

 

150

9

790

340

SO4*

(mg/l)

6

684

606

 

600

9

522

810

S*

(mg/l)

6

0.224

2.48

 

1

9

9.500

9.26

Cr*

(mg/l)

6

31

17.2

 

1

9

19

25.8

Cl*

(mg/l)

6

2059

3499

 

1000

9

100

2039

Oil&greese

(mg/l)

6

203

130

 

10

9

297

53

 

PH

6

7.94

7.98

 

6-10

9

9.55

9.32

* 分析エラー:サンプルの不整合と考えられる。

** ラホーレ工科大学で分析

 

 

沈殿槽からの越流水を1㌧タンクに滞留させてEMとの接触時間を長くしてEMの効果が増すことを確認した。26日と9日の沈殿槽からの越流水をそれぞれ1㌧タンクに入れ、蓋をせずに置いた。212日には、9日の越流水を入れたタンクの上澄み液を第3のタンクに入れ蓋をせずに置いた。EMの添加はなし。この3個のタンクの内容物を測定した(表3)。

 

表3:接触時間を延長した場合のEM効果

 

測定項目

サンプル日

20032

タンク1

6日の越流水

タンク2

9日の越流水

タンク3

タンク2の上澄液

 

NEQS

BOD

(mg/l)

17

300

525

465

 

80

22

225

480

457

COD

(mg/l)

17

1595

1662

1638

 

150

22

1388

1549

1536

Cl

(mg/l)

17

712

2295

2273

 

1000

22

696

2249

2329

SO4

(mg/l)

17

970

866

804

 

600

22

920

728

710

S

(mg/l)

17

0.24

3.50

6.00

 

1

22

0.22

0.32

7.74

Cr

(mg/l)

17

8.60

7.74

8.60

 

1

22

9.50

6.90

5.20

TDS

(mg/l)

17

3090

5810

6060

 

3500

22

2600

5660

5850

TSS

(mg/l)

17

360

20

50

 

200

22

10

80

50

Oil&greese

(mg/l)

17

167

143

77

 

10

22

70

130

113

 

PH

17

8.10

8.50

8.50

 

6-10

22

8.30

8.60

8.70

 

 

臭気抑制

スプリンクラーと噴霧器を使いEM活性液をバッキ槽に、1日約10時間散布した。

バッキ槽は71.25㎡もあるのに固定スプリンクラーがカバーする範囲は1㎡に過ぎないため、部分的にのみ効果があった。スプリンクラーは上下を逆にしてバッキ槽の上に取り付けたが、アメリカ製なのに仕様説明どおりには動かなかった。

 

 

汚泥のEM処理

22日に100㍑のEM活性液が準備され密閉容器に入れられた。24日に汚泥1立方フィートの重量を実測し汚泥1㌧の容量を算出した。取り出した汚泥はプラスティックシート上でEM資材と混ぜ合わせた。

     汚泥1

     500kg